220年の歴史を繋いで
「幻のようかん」が復活
「パッケージのデザインをやらせて欲しい。本当に良いもの、残すべきものはプロデュースしたい」。第4回天草謹製審査会で、一人の審査員が名乗り出た。 審査員の創作欲をかき立てたのは河浦町崎津
に伝わる名物杉ようかん。「崎津といえば杉ようかんだったのに、ここ数十年は後継者不足で途絶えてしまって…。住民の要望も強く、富津地区振興会で復活させようと盛り上がったんです」。同振興会の宰川さんは語る。 1790年、琉球王の使節団が11代将軍・徳川家斉の祝賀のために薩摩を目指したが嵐に巻き込まれ?津に漂着。住民らに救助されたお礼に杉ようかんの作り方を伝授したという。「200余年も作り続けられた味にいかに近づけるか苦労しました」 杉ようかんの作り方は、うるち米を蒸してついた餅をのばしてあんを包む。表面に縁起のよいとされる紅色の線を引き、杉の葉で挟んで完成。「蒸し方やつき方など最初の工程で美味しさが左右されるから試行錯誤を重ねました。あんを詰めて2度蒸しするのが習わしですが、同様に蒸しても同じ味にならない。ポツポツの穴が出来た時が美味しさの証拠なんです」
レア度満点
しっとり感は一日限定
苦労の末復活した杉ようかんだったが、前回の天草謹製審査会では落選。 「専門家のアドバイスを得て努力を重ね、歴史を学び、素材を追求してやっと今回認定を得ることができました」 振興会では毎日早朝から仕込みを始め、全て手作業で製造する。あんの甘さが絶妙で、見た目と異なりあっさりとして、素朴な味わいはどこか懐かしい。「しっとりとした食感は一日限定。日持ち出来ないか?と言われますが、保存料を使いたくなくて…。保存法を研究中ですが、
南風屋で天主堂を眺めながら、あ〜うまい!って思ってもらえれば。ここでしか感じられない”こと”ってあると思うんですよ」
富津地区振興会南風屋(はいや)
〒863-1204
天草市河浦町崎津454
TEL / 0969-79-0858
FAX / 0969-79-0809 |
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